シルビア　S14 オーテックバージョン　資料室

 

当方がシルビア S14 オーテックバージョン ( k’s MF-T )を新車で購入してから、早１５年以上が過ぎました。

 

 

最近では、インターネット上で「最近S14シルビアを中古で買いましたが、これはオーテックバージョンでしょうか？」とか、

「S14オーテックバージョンはどのような違いがありますか？」という質問を見かけるようになりました。

台数が少ない（＝オーナー数が少ない）せいか、あまり情報が出回っていないようです。

折角なので、特徴とか見分け方とか、つらつらと記載してみたいと思います。

 

オーテックバージョンのベースとなっている車両
よく、雑誌等では「K's“エアロ”」をベースにして生産されたと記載されていますが、それは「K's」をベースに・・・の間違いです。
「K's」とは、走るためだけのため・・というかチューニング前提の廉価グレードで、そのまま買ってくると　鉄ホイール、エアロ全くなし、

ラジオなし、という車です（逆に言うと、「K’sエアロ」「Q’sエアロ」が一般的な販売グレードでした）。他の細かいところでは、

・フロントワイパーの間欠が、HIとLOしかない。

・リアワイパーがない（オプションでもつけられない）

・エアコンがマニュアル
という点があげられます。

 

この「K's」がベースであるために、MF-Tの見分け方にも影響してきます。

 

尚、カラーはレッドパープル(#LS1)、パールホワイト(#WK0)の２種類です。レッドパープルがイメージカラーだったようですが、

当時見かけた車両はホワイトが多かったと思います。また、内装はオフブラックのみです。

 

当時シルビアのカタログには、オーテックバージョンのパンフがはさみこまれていました。

よく「限定車」といわれますが、「受注生産」の間違いです。受注生産とは、注文がありさえすれば作るものです。
当時は、スポーツカー市場が冷え込み始めており、さらにメカっぽさはランエボ、ストイックさではインテグラＲなどに人気を奪われ、

S14シルビア自体の販売数が伸び悩んでいました。その中で投入された新グレード、K’s MF-Tですが、実際に出荷された台数は約２７０台でした。

限定車のランエボより一桁少ないのです。

 

オーテックバージョンとして変更されている箇所

一番重要な点として、タービンがIHIの斜流タービンとなっています。低速からトルクが出やすい、運転しやすいタービンです。
また、これに伴い、専用コンピュータ、インジェクタの大型化(440ccらしい)が行われています。

フロントパイプ、マフラーがフジツボ技研製となっています。
インタークーラーの厚みが増しているため、フロントウインカーがＧＴ-Ｒ風の丸形ウインカーとなっています。さらに、

丸型ウインカーだと横から見えないため、フロントフェンダーにウインカーがあります。リアは、大きなリヤスポが目立ちます。

ホイールはアローエンタープライズ製１６インチとなっています。

足回りは、バネレートが30%アップされ、2cmの車高ダウンが図られています。

 

内装として、ＭＯＭＯステアリング（エアバック付き）、皮巻きシフトノブ、専用内装トリム、シート、ホワイトメーターなど。
見えないところでは、各ブッシュ類が強化品に交換されています。

 

また、リアメンバーに、トリプルクロスバーという銀色の補強バーをメーカーオプションで付けることができました。

（確か2万７千円だったような・・・）しかし、このバーはマフラーの位置をかすめるため、前述のフジツボマフラー以外の場合

パイプとバーが当たってしまう場合があるそうです（恐らく、デフ下をほぼまっすぐ通るようなマフラーだと当たらない気が
しますが・・・）。

S14 オーテックバージョンの見分け方。

オーテックバージョンに似せた車両もありました。

「これがあれば本物のオーテックバージョンの可能性が高いぜい！」という見分け方を、

確度つき「★★★★★」で表してみます。あくまで個人的な主観です。参考までに・・・

 

丸型フロントウインカー 「★★★☆☆」

社外バンパーに変えられるとここでは見分けつきません。

サイドのウインカー「★★★☆☆」

・正面のフロントウインカーが丸型になったことに伴い、側面にウインカーが増設されています。

 

大きなリヤスポ。「★★☆☆☆」ヤフオク等でも出回っていたため、オーテック以外のグレードについている場合があるかも・・

尚、本来リアワイパーはないです。（改造してつける人もいるかもしれませんが・・・）

 

 

アローエンタープライズ製１６インチホイールです。「★☆☆☆☆」

センターキャップに「PRODUCED BY AUTECH JAPAN 」の文字があります。

まぁ、ホイールはてっとり早く換えられてしまうパーツなので、あまり現存しないかと・・

 

 

マフラーはフジツボ技研製。トリプルクロスバー装着「★★★★☆」銀色のバーです。新車時のオプションです。

マフラー交換の時、パイプに当たるのが理由でトリプルクロスバーが外される場合も多いようです。

インジェクターの大容量化。「★★★☆☆」SRの茶色は440ccでいいんでしたっけ・・（自信なし）

チューンの過程で換装されやすい部品でもあります。




内装：ＭＯＭＯステアリング、ホワイトメーター。皮巻きシフトノブ（画像なし）

「★★☆☆☆」普通のK’Sエアロでも装着可能なので・・・

 

エアコンは、マニュアルだ！！・・　　このへんはK’s自体の特徴なので、オーテックの特徴ではありません。

とは言え、逆にオートエアコンだったら、オーテックバージョンの可能性はかなり低いです（換装は結構困難なため）

 

（↑この３連メーターは、社外品に換装したものです。本来の３連メーターではありません。）

 

専用内装トリム、シート。「★★★★☆」ここはわざわざ換える人少なそうですので、

これがあれば本物のオーテックバージョンの可能性が高いと思います。

シート生地。「★★★★☆」フロント、リアともにパンチングスエードです。

 

フロアマットも柄が違うようです。「★☆☆☆☆」

シルビアのオプション品なのか、MF-T専用なのかは不明です。

 

 

最後に、日産FAST（部品検索ソフトウェア）でシャーシNoを入力して、以下のような警告メッセージが出れば完璧です「★★★★★」

 

FASTを持ってなかったら、ディーラーさんか日産部品販売でお願いしてみるといいかもしれません。

 

おまけ。プラモ化もされていました。

 

 

チューニングなど、いじくる時の注意点（？）

めでたく、自分のS14シルビアがオーテックバージョンでした。という場合、

一般のK’sとの違い、同一な点は以下の通りとなります。

（あくまで、私の知識と見解です。実際の作業・チューニングに係る調査は自己責任でお願いします）

 

・エンジン本体：黒ヘッドのSR20と同一扱い。タービンとインジェクタ容量が異なる点に注意。

 

・足回り、ブッシュ類：一般のK’sと同じ扱いでＯＫ。車高調なども問題なく付きます。

 

・マフラーおよびトリプルクロスバー

　前述の通り、社外のマフラーをつける場合はトリプルクロスバーを取り外すか加工が必要の場合がある。

　取り外した場合は、メンバーにブーメラン型の板（S14 K’s純正品）を取り付ける必要がある。

 

・内装関係も一緒。リアスピーカー、配線はある。ボードにスピーカーグリルがないので、穴をあけて

　グリルを取り付ければＯＫ（意外と面倒くさいけど・・）。

　スピーカーボードごと買った方が早いかも。

 

・マップランプがなくて不便ですが、実はカッターで穴をあけると・・　取り付ける台座はあります。

　配線がないので、ルームランプからもってくるとなんとかなります。

 

・Ｓ15のフロントクロスバーを流用する際、S14後期は一部の最終ロットにネジ穴があるという話ですが・・

　自分のS14にはありませんでした。

 

・自分のS14は、クラッチのカラーがなぜか大きかった（ハイトが高かった）・・

　クラッチ交換の際、カラー高さは注意したほうがいいかも？？？　

 

オーナーの集まり

オーテック車両のオーナーは、オーテック主催の「オーテックオーナーズグループ」（AOG）に

入会することができます。年に一度 神奈川県（大磯）で里帰りミーティングを行うなどイベントも

あるので興味のある方は以下のリンク↓からどうぞ。もちろん中古で購入された方でもＯＫです。

 

http://www.autech.jp/AUTECH_FUN/SNS/